第一回入選作品
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特選
目覚めよく嬰の喃語や春麗
山県市 E様
嬰(えい、乳飲み子)とはお孫さんのことか。家族で泊まった宿の朝、目覚めた乳児の片言
(喃語、なんご)が聞こえる。ご機嫌なその声が周りの笑みを誘う。まさに春のうららかな朝。
入選
長良川泡湯ほのかに月明かり
岐阜市 N様
入選
鰯雲映して澄めり長良川
刈谷市 A様
入選
小雪舞う長良の里の露天風呂
福井県 O様
入選
雪降りて羽を休める冬鵜かな
福井県 M様
入選
年暮るる雪にたたずむ屋形船
横浜市 N
入選
たのしいなみんなですごすながらがわ
こうなんし O様
佳作
春雨や十八楼の句碑しづか
名古屋市 T様
十八楼のロビーから望む長良川、その前庭に芭蕉の「このあたり目に見ゆるものは皆涼し」の句碑がある。
あたたかな春雨にぬれて、句に詠まれた夏を静かに待っているようだ。
佳作
歳晩の夢に芭蕉や十八楼
横浜市 N様
年の暮れに見た夢に芭蕉が現れるとは。十八楼にゆかりのある俳聖芭蕉に思いを寄せていたからか。
俳句に親しむ作者なればこそ、この宿に泊まったからこその夢。
佳作
湯の華に香りを寄せて古希の雛
茨城県 I様
長良川温泉のお湯に旅の疲れを癒す。湯の華の浮かぶお湯を手のひらにすくい、その香りに顔を寄せる女性。
七十歳とは思えないあでやかさにお雛様もほほえむか。